衛星データをどのように取得するか?

衛星データ解析を行う際、最初に直面する問題はどの衛星データをどこから取得するかということである。
衛星データを生産している主体は限られている。公的機関としてはアメリカには NASAがあり、ヨーロッパには ESA(European Space Agency)があり、民間企業ではMaxarがある。そのため、衛星データ解析をしたいと考えた場合、利用可能なデータ源は、NASA 、ESA、Maxarのいずれかに限定される。
当研究所は、ESA が提供している Sentinel-2データを主な解析対象としている。理由としては、Sentinel-2 の画像は、現時点で NASA や ESA が無償提供している光学衛星データの中で、最も空間分解能が高いからである。Sentinel-2 は 10m × 10m の分解能を持つ。これに対して、NASA が供給しているデータの中で代表的な Landsat 画像は、分解能が 30m × 30m である。ただし、これは Landsat が劣っているという意味ではない。Landsat は 1970 年代から一貫して地球全体を観測し続けており、長期的な地表変化の解析という点では、他に代えがたい価値を持っている。なおMaxarの衛星データは非常に高価であり、個人や小規模な事業者は手を出しづらい。

次に直面する問題はどの経路でデータを取得するかである。
NASA、ESA、Maxarのいずれのデータについても、実際にはデータ流通を担う中間的なプラットフォームが存在する。最も親しみやすいのは、Google が提供する Google Earth Engine(GEE) 経由での取得である。GEE は可視化や簡単な解析を行う点では非常に優れており、学習用途としても分かりやすい。しかし、GEE には大きな欠点がある。それは、最終的に元データを自由にダウンロードすることが難しいという点である。本格的な解析やローカル環境での再現性を重視した処理を行う場合、この制約は致命的である。
そのため当研究所は、ESA の Copernicus Data Space Ecosystem(CDSE) を経由してSentinel-2の データを取得することを標準としている。