学歴フィルターはなぜ強まったのか

近年、「学歴フィルター」という言葉が就職活動を語る際によく使われるようになった。これは就職活動を取り巻く環境が大きく変わった結果として、必然的に強まってきたものだと考えられる。

まず大きいのは、インターネット応募の普及である。かつて、就職活動は紙が前提だった。応募書類は手書きで郵送が基本であり、学生一人が応募できる企業数はせいぜい数社から十数社程度であった。しかし現在では、就職情報サイトを通じて応募できる。その結果、一人の学生が数十社に応募することが珍しくなくなった。だが企業側から見ると、これは深刻な問題を生む。仮に一人の学生が平均20社に応募するとすれば、企業は20人中19人を落とさなければならない。面接できる人数には限界がある以上、面接以前の段階、つまりデータの段階で大量に落とさざるを得ない。

もう一つ重要なのが、就職活動の早期化である。1990年頃であれば、内定が出るのは早くても大学4年生の6月頃だった。つまり、大学生活の大部分を終えた段階で就職活動が行われていた。しかし現在では、大学3年生の3月頃に内定が出ることも珍しくない。大学入学から就職活動までの期間が短くなった結果、学生が「大学で何をしたか」「何を学んだか」を十分に語れるだけの時間がそもそも存在しなくなっている。語れる経験が少なくなれば、学生側も大学生活をアピールしにくい。企業側から見ても、大学生活の中身よりも、入学時点で確定している学歴の方が相対的に重要になってしまう。

以上をまとめると、学歴フィルターが強まった背景には、インターネット応募の普及や就職活動の早期化がある。これらが重なった結果、学歴の高い学生が複数の内定を獲得し、一方で学歴の低い学生が多数の企業から落とされ続けるという構造が生まれやすくなっている。