日本はいつからあるのか?
昔、知り合いに「日本はいつからあるのか」と聞かれたことがあった。以前の私は、具体的に答えることができなかった。しかし、今ならこう整理して答えるだろう。
まず、現在の日本列島にはおよそ3万年前から人が住んでいたこと、紀元前1万年頃から縄文時代が始まり、紀元前4世紀頃には弥生時代へと移行し、紀元後3世紀には卑弥呼が登場し、紀元後4世紀頃には天皇の祖先も活動していたことがわかっている。しかし、ここで問題になるのは「日本の始まり」をどこに置くかだ。私は「天皇を中心とした統治体制が整った紀元4世紀頃」を、日本の始まりの目安として答えることにしている。
この経験からわかるのは、物事について問われたとき、事実そのものよりも「何をもってそれと定義するか」が重要になるということだ。今回の「日本はいつからあるか」という問いで言えば、実際に住民がいた時期よりも、「日本とは何か」という定義の方が、回答にあたって難しい問題になる。この考え方は、歴史に限らずさまざまな場面に当てはまる。問いの核心は、しばしば「定義」にあるのだ。

